机の下の声

朝の会が始まる前、ひとりの女の子が、部屋の隅の机の下に潜り込んで出てこなくなりました。
みんなが少しざわざわしているなか、その子はずっと膝を抱えてうずくまっていました。
「声を出すと、怒られる気がする」その子が小さくつぶやいたひと言でした。
学校での「声の大きさ」や「話し方」をたびたび注意されていたそうです。
声が出せないほど怖い思いをしてきたんだな、と心がギュッとしました。
ぼくの息子にも似たような時期があって、その子の沈黙が、すごく重たく感じられました。
机の下から伸びてきた手。
その小さな手を握り返せたこと。
言葉よりも先に「触れていいですか」って、手で聞いてくれた気がして、そっと返事をしました。
無理に話さなくていいよ。
声が出ない日も、あなたはちゃんとここにいてくれる。
それだけで、ぼくらには伝わってる。
投稿者:だいすけさん
投稿日:2025/07/20(日)10:26